ぼんやりした頭を抱えた乗客を乗せ
夜の街をすり抜ける


死人列車


運転手はトカゲ
ガラスの瞳で
ミラーを 
    ちらり


線路など御座いません


あるのはただ アスファルトと 白い
白い車線


かおのない街 


目に映るのは
窓の死顔
シートにもたれる黒い球


ちらちら ちら


トカゲのガラス玉の表面を
街の灯が 流れます


私の脳の皺を素通りして
虚構ばかりが 流れます



「次は 終点。 終点で御座います」

虚妄の泡玉が ぷちん と弾け



メガネの運転手に頭を下げて


私の夢はここで終わり


街灯の下 バスを降り
帰ります いつもの道を
帰ります 私の家へ



振り向きざま
トカゲが
    にやり



帰ります いつもの道を
夢の続きは また今度


どこか遠くで


死人列車が 啼きました































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