ある兄弟のこと


アンドリュー・パンクスはデイドレッド・ファンクスの兄貴だ。
なんで兄弟なのに違うファミリーネームなのかは知らない。
とにかくアンドリューはデイドレッドの実の兄貴で、それはあまり知られていない事実だ。
奴らえらく仲が良いんだ。
デイドレッドはアンドリューが大好きで、アンドリューはデイドレッドのことをすごく大事にしてた。
いっとくが奴ら10代のガキって訳じゃない。髭の生えた立派な大人だ。
かといってホモでもない。
ちょっと信じがたいが純粋な兄弟愛ってやつだ。
二人は世界中を旅してる。
パリ、ロンドン、ニューヨーク、ブエノスアイレス、メキシコシティー、タクラマカン砂漠、ヒマラヤ山脈・・・。
とにかく世界中。
時にはどっか別の所へもいっちまうようだ。
もちろんあの態度が悪い事で有名なピザ屋のベンジーにも何度か会ったことがある。
どこかにひょっこり現れては知らないうちにフイッといなくなっちまう。
いつだってそうだ。
奴らの旅はもう長いこと続いているが、一向に終わる気配もない。
相変わらず二人は連れだってあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。
奴らからたまに長い長い手紙が来る。
それには奴らの冒険の様子が事細かく書いてあって、おれはいつもそいつを読むのを楽しみにしている。
この地続きの世界のどっかで奴らが旅を続けていると思うと何だか安心して眠りにつけるのだ。
アンドリュー・パンクスとデイドレッド・ファンクスの旅は続く。
仲がいいことだ。
奴ら何処にでも現れる。
ローマ、ペキン、シカゴ、デカン高原、グリーンランド、ミュンヘン、モスクワ、トーキョー、それからアンタの街にも。














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