今日は空がとても白くてとても綺麗だったので散歩に行きました。
それでどうやら痛かったのですけれど。
僕がお地蔵さんに道を歩いていると向こうから知らないお母さんの女の人と坊やが歩いてきました。
坊やがお母さんあの人はなあに?というとお母さんの人はあれはせいしんをやんだひとなのと言います。


せいしんをやんだひと

 

精神は心のことでこれは明るいです。
病んだとか病むとかは病気でつまり煙ということです。
せいしんをやんだひととはつまり心の病気の人です。
心が病気ということは大変です。。
これは先生が言っていたのですが僕たちが嬉しかったり悲しかったり痛かったり気持ちよかったり感じるのは心だそうです。
脳が心です。
心と精神は脳で繋がっていてだけどそれは同じものだった。
愚かだから本当は知らなくてもいいんですけどでも僕だけ先生が言うのをちゃんと聞いていたので僕だけ知っているのです。
僕にはよく分からないですけれど分からなくてもいいんですけれどとにかく脳とは心臓と同じくらい大事なものだそうです。
そんなものが病気ということはとても苦しくて悲しくてきっとあの染みのぐるぐるみたいだろうなあとおもいました。
だから僕はせいしんをやんだひとが可哀想になりました。

お部屋に帰ってからみんなより髪の黒い人が針を刺した。
あのひとに聞いてもだめだったので先生にききました。
せいしんをやんだひとはどうなるのですか。
その時はいなかったのですけど。
先生は大変に変な顔をしてこう言いました。
なに?せいしんをやんだ・・・ああ、うん。はは、まいったな・・・ええと、つまりものをせいじょうノかんがえられなくなったり・・・うーん、そうだねふつうじゃないことをしたりするね。うん、そう。
なんだかよく解りません。
それは僕が愚かだからなんですが本当は解るのです。
せいしんをやんだひとは何処にいるのですかとききました。
先生はもっと変な顔になりました。
ええ?あー・・・そうだなあ。たいていはちゃんとしたしせつに・・・しゅうようされている。そう、まあ、びょういんとかね。
ここの病院にもいるのですかときくと先生の顔はもっともっと変になりました。
でもお薬の時間になったので先生は何も言わないで出て行ってしまいました。
お部屋の外で助手の人となにか話しているのが見えました。
きっとまた難しい病気の話をしているのでしょう。
でもきっと愚かでも解るでしょう。
お薬はいつもすごく眠くなります。
僕は目が覚めたらせいしんをやんだひとを探しに行こうと思いました。


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「いやあ、まったく参った」
「どうかされたんですか。篠崎先生」
「それがさあ、例の802号室の患者なんだけどね」
「ああ、あの脱走癖のある…。先生、コーヒー飲みます?」
「あ、いただきます。そう、その患者。今日もまた逃げたんだよね。それでインターンまで駆り出して探してさ、午前中ずーっと探して、病院から5q離れたところで地蔵と会話してるのをやっと捕まえたワケよ」
「大変だったんですね。どうぞ」
「どうも。そんで病室に戻って、俺の顔見てなんて言ったと思う?」
「さぁ・・・。なんて言ったんですか?」
「『せんせい、精神を病んだ人ってどんな人ですか?』だと」
「はあ。なんですか、それ」
「だよねえ。『そりゃお前だ』って言いたかったけど、流石に看護婦さん達の見てる前じゃあねえ」
「誰もいなかったら言ってたんですか」
「かもね。しかし、ホントにわかってないのかね。なんで自分が鉄格子のある病院にいるかって事」
「わかってないんでしょうね、きっと」
「あーやだやだ。奴らと会話してるとこっちが頭おかしいんじゃないかって気になってくる」
「あら。いいんですか、精神科の医師がそんなこと言って」
「おっと。そこはボクと林田先生だけの秘密って事で。ね。ところで、煙草吸っていいかな」
「・・・篠崎先生」
「はい?」
「その彼が自分が病んでいることがわからないのだとしたら、私たちはどうなんでしょうね」
「どういうことですか」
「本当に病んでいるのは私たちで、みんなただ気づいていないだけなのかも」
「・・・・・・・」
「だって、私たちが認識しているのはあくまで自分を通して見る世界ですもの。わかってないのは自分だけなんて、よくある話です」
「・・・怖いこと言わないでくださいよ。だったら今見ている現実は全部信じられないものになっちゃうじゃないですか」
「そうですね。ちょっと思いついたから言ってみただけです。それと、ここは禁煙なんで煙草は外で吸ってくださいね」
「へいへーい」


end


 

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